この記事では、知人や友人、親戚など自分の身近な人などが選挙に出馬することが決まり、「事務所開きのお祝い」として何か贈りたい、「陣中見舞い」をしたいけど、
「初めてのことで勝手が分からない」
「どういったことに気をつけたら良いのかわからない」
という方に向けて、
- 必ず守らなければならない「選挙の陣中見舞い」「選挙事務所開き祝い」の注意点
- 失敗しない「おすすめの陣中見舞い・選挙事務所開き祝い」
について紹介します。
候補者の方への応援の気持ちから良かれと思って差し入れたものでも、場合によっては違反になってしまうものもありますので、選挙の陣中見舞いは注意が必要です。
それでは詳しく見ていきましょう。
陣中見舞いとは?
そもそも陣中見舞いとは、何かの達成に向けて戦っている人の苦労をねぎらい激励すること、またそのときに持参する金品のことをいいます。
選挙においては、立候補の届出を済ませた候補者に対して、当選に向けて選挙戦を戦っている最中に見舞って激励すること、またそのときに持参する贈り物のことを言います。
選挙の陣中見舞いの注意点とは?
選挙の「陣中見舞い」の注意点とは何なのかを見ていきます。
まず、選挙における「陣中見舞い」は、政治家(候補者含む)に対する寄附にあたります。
この「寄附」については、公職選挙法や政治資金規正法に規定が定められているため、違反にならないように注意が必要です。
【選挙の陣中見舞いの注意点】
- 前提として、金銭等による候補者の政治活動に関する寄附は禁止されている
- 寄附は、一人の政治家に対して年間150万円まで
- 差し入れてはいけないものがある
- 陣中見舞いを贈るタイミング
それでは、詳しく見ていきます。
前提として、金銭等による候補者の政治活動に関する寄附は禁止されている
政治資金規正法
(公職の候補者の政治活動に関する寄附の禁止)第二十一条の二
何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない。
引用元:G-GOV法令検索
上記の条文の通り、候補者の政治活動に関する金銭等による寄附は禁止されていますが、物品による寄附は可能です。
選挙運動に関しては金銭等の寄附、物品の寄附が可能になっています。
【政治活動に関する寄附】
- 金銭等 → ×
- 物品 → ○
【選挙運動に関する寄附】
- 金銭等 → ○
- 物品 → ○
寄附は一人の政治家に対して年間150万円まで
政治資金規正法
(同一の者に対する寄附の制限)第二十二条2
個人のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、百五十万円を超えることができない。
引用元:G-GOV法令検索
上記の条文の通り、個人のする政治活動に関する寄附は、物品によるものに限り一人当たり年間150万円が上限となっています。
これについては、一個人が知人の選挙を応援するためにそこまで高額なものを贈ることはないでしょうから、あまり気にする必要はないかもしれません。
選挙の「陣中見舞い」で差し入れてはいけないものがある
選挙運動期間中に差し入れてはいけないものが、公職選挙法に定められています。
公職選挙法
(飲食物の提供の禁止)第百三十九条
何人も、選挙運動に関し、いかなる名義をもつてするを問わず、飲食物(湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く。)を提供することができない。(後略)
引用元:G-GOV法令検索
上記の通り、選挙運動中に飲食物の差し入れをすることは禁止されています。
お祝いの贈り物としてお酒類が候補に上がる場合もあると思いますが、選挙運動の期間中においてお酒を贈ることは禁止されています。
ただし、「湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子」は提供しても良いことになっています。
また、上記の条文の「(後略)」の部分には、例外としてお弁当についての規定があり、特定の選挙においてその選挙運動の期間中に従事する労務者に対して提供することが可能な場合があります。これについては、よく確認を取ってから行うことが必要です。
選挙の「陣中見舞い」を贈るタイミング
選挙の「陣中見舞い」を贈るタイミングは、その名の通り選挙運動の期間中がベストです。
前述の通り、政治活動に関する金銭等による寄附は禁止されていますので、金銭等を贈る場合は、必ず選挙運動の期間が始まってからにします。
選挙事務所開きに合わせて、「事務所開設祝い」や「陣中見舞い」を贈ることも可能ですし、事務所開き後であっても選挙運動期間中なら可能です。
【タイミング別に見る寄附の可否】
金銭等 | 物品 | |
---|---|---|
選挙運動期間前(政治活動中) | × | ○ |
選挙運動中 | ○ | ○ |
選挙運動期間後(政治活動中) | × | ○ |
また、「選挙運動の期間」とは、その選挙の期日(投票日)の公示または告示日から選挙の期日の前日までの期間をいいます。
ちなみに公示と告示の違いは、下記の通りです。
- 公示は、衆議院の総選挙、参議院の通常選挙の際に、天皇が内閣の助言と承認に基づいて行われます
- 告示は、上記以外の選挙の際に選挙管理委員会が行います
失敗しない選挙の「陣中見舞い」は手書きの「選挙為書き」がおすすめ
これまで見てきた通り、選挙の陣中見舞い(寄附)には公職選挙法や政治資金規正法に規定があり、何かと気を使うと思います。
そんなときには、手書きの選挙為書きを贈ることをおすすめします。その5つの理由を紹介します。
①為書きは定番
選挙事務所といえば「為書き」というほど定番の贈り物になっていて、日本の選挙の風物詩であり文化の一つと言っても過言ではありません。
②センスがいらない
そんな「選挙の為書き」ですが、その名の通り「応援したい候補者の為に」「必勝を祈念する」という意味合いがあり、それがお決まりのテンプレートに表現されていて、あれこれ悩む必要がありません。
③他の人とかぶっても良い(むしろたくさんあって良い)
何か贈り物をするときには、相手にとって必要なものを選んだり、他の人と同じものを贈らないよう気を使ったりすることがあると思います。
ですが、たくさんの人から贈られる「為書き」は、受け取られる候補者の方や選挙運動をサポートする方々の活力になります。
選挙事務所の壁一面にたくさんの「為書き」が貼られることは、選挙事務所を出入りする支持者へのアピールにもなります。
④低予算でも応援の気持ちが伝わる贈り物
選挙為書きの料金は取り扱う業者やサイズによって3,000円未満〜8,000円以上と幅がありますが、
「手書きの選挙為書き」は、当選を祈り応援の気持ちを伝える贈り物として最適です。
⑤1枚から注文できる手書きの選挙為書きが一番
一度にたくさんの枚数の為書きを注文したい場合は印刷業者の方が良いかもしれませんが、選挙に出馬した知人・友人への「陣中見舞い」なら、1枚から気軽に注文できる「手書きの選挙為書き」がおすすめです。
候補者に喜ばれる陣中見舞いを贈ろう
選挙の「陣中見舞い」や「事務所開き祝い」の注意点について、公職選挙法や政治資金規正法に照らし合わせて見てきました。
贈る側に対しても違反があった場合は罰せられてしまうことになるため、禁止事項に当たらないよう十分に注意をしながら、贈るものとタイミングを決めたいものです。
「陣中見舞い」や「事務所開き祝い」について不明な点や不安がある場合は、選挙管理委員会に問い合わせて確認することをおすすめします。
そして、失敗しない「陣中見舞い」は手書きの「選挙為書き」がおすすめです。迫力のある手書きの筆文字とともに、激励の気持ちを候補者の方に伝えましょう。
喜んでもらえること間違いなし!です。